制御における
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制御におけるGD2
制御におけるGD2とトルク、速度、時間との基礎的関係 制御問題は、 速度(回転数)、停止位置(移 動距離)、所要時間で互いに関連している。
トルクT、慣性モーメント I 、角加速度 、次式のように表わすことができる。
GD2を用いて表わせば 式を変形して、整理すれば したがって、角速度ωは上式を積分して次式で表わされることになる。
上式のcの値は、その初期条件で定まる。
いま t = 0 における初期角速度をωo とすれば 一般に設計では、角速度ω(rad/s)より回転数 n(rpm)が用いられるので、式を設計計算で用いやすいように変数をあらためると、
すなわち
さらに定数をまとめて、簡単にすると g = 9.80665m/s2であるから
上式は、トルクT(kgf,m)、 軸回転数 n(rpm)、 初期回転数 n0(rpm)、 時間 t(sec)、 GD2(Kgf・m^2) の基礎的な関係を表わす重要なものです。
これを所要時間に着目して変形すると
また、ブレーキやクラッチなどの容量検討に必要となるトルクTに関して整理すれば
例)、Φ590mm 厚さ12mmの円板をトルクリミッターを介し停止させるときに、幾らのトルクが発生するか?
計算例 excel data
円板の厚さy 0.012 m
D (回転体直径) 0.59 m
比重 0.00785 Kg/cm3
円板の重量 25.75400688 Kg
GD^2 = 1/2 X WD^2 4.482484898
回転数 n 30
30rpm->0rpmまでの時間 0.1sec
上記の式より
T(トルク)は 3.585987919 Kgf.m となる。
この停止時間を幾つにするかは、非常に仮定が難しく経験値を入れることが多い。 極端に言えばこの時間を0にすればトルクは無限大になります。実際には、非常停止の時は、どうなるのか、機械的に衝突した場合は幾つにするのかは、難しい課題です
以上の式が、ある慣性置GD2をもつ装置の運動や制御を設計において検討する場合の基礎となる。
直線運動を行う場合についても、その慣性は等価GD2として換算されるので、上式によって回転運動に置きかえて検討すること ができる。
ブレーキトルク
ブレーキトルクを計算する場合の条件は、速度(制御軸回転数)、所要時間、負荷トルク、装置の抵抗トルクおよびGD2である。
ある制御軸回転数で作動している装置を、一定時間で所定の軸回転数に減速する場合を考え、必要なブレーキトルクを求める。
ブレーキ装置は,必要なブレーキトルクによってサイズが異なり,そのGD2も異なる。
一方装置の等価GD2は、 このブレーキのGD2を含んだものでなければならないので、あらかじめブレーキのGD2を推定して装置の等価GD2を求めて計算するのが望ましい。
しかし、装置の等価GD2は 一般にブレーキのGD2よりかなり大きいため、ブレーキのGD2を無視できることが多い
n0 : 制動前の制御軸回転数(rpm)
n : 減速した制御軸回転数(rpm)
[GD2]i : 制御軸換算の装置の等価GD2(kgf・m^2)
[TL]i : 制御軸換算の等価負荷トルク(kgf・m)
[Tf]i : 制御軸換算の等価抵抗トルク(kgf・m)
TB : 制御軸に設けたブレーキのトルク(kgf・m)
t : 制御時間(s)
負荷トルクが制動トルクとして作用すると考えれば>
展開して>
例) 以下のような条件の下で、制御軸回転数を n0 = 2000rpmから、n = 480rpmに 8.12秒で減速したい。 必要なブレーキトルクを求める。
装置の等価GD2 : [GD2] = 0.612kgf・m^2(ブレーキのGD2未考慮)
等価負荷トルク:[TL] = 0.073kgf・m
装置の機械効率:η = 87%
ブレーキのGD2を無視してブレーキトルクを求めると
ここでブレーキとして、ブレーキトルクTB = 2kgf・m GD2 = 26.5kgf・cm^2の市販品を用いるとすれば、ブレーキを含んだ装置の
等価GD2は [GD2]_1 = 0.612 + 0.00265 = 0.615kgf・m^2 再び[GD2]_1を用いて、必要トルクTBを計算する。
制動時間
台車装置やコンベア装置、その他の装置類においてすでにブレーキ容量が定まっている場合に、減速所要時間や停止所要時間を計算したい場合も多い。
一般に機械装置では、積載重量の変化や負荷の変化に応じて制動時間が変化する。 この場合の条件は
ブレーキトルクTB、 等価負荷トルク[TL]i、 等価抵抗トルク[Tf]i、 装置の等価[GD2]i および制動速度条件である。
ブレーキを制御軸以外の軸に設ける場合は、 当然ながらブレーキトルクを制御軸に関する等価ブレーキトルク[TB]iに換算して用いる。
制御軸を n0(rpm)から n(rpm)に減速する場合の所要時間を求めることにする。
負荷トルクが制動作用を行う一般的な場合で考えて、制動に作用する全制動トルク は、> であるから>
例) 減速所要時間 制御軸回転数を n0 = 1750rpm から n = 600rpm に減速したい.。 以下の諸条件の場合 減速に要する時間 t を求める。
等価GD2: [GD2]i = 2.82kgf・m^2
ブレーキトルク : TB = 2.0 kgf・m
負荷トルク : [TL]i = 0.83 kgf・m
抵抗トルク : [Tf]i = 0.04 kgf・m
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