アルミ材料特性
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アルミニウムー銅系合金(2000番台)
切削材として機械部品に適し,また鍛造品としての用途も広い.防食を目的として表面に純アルミニウムをかぶせた合わせ板(クラソド板ともいう)は航空機関係に用いられる。
特徴
この系の合金は2017がジュラルミン, 2024が超ジュラルミンの名称で知られ,また旧JISでは高力アルミニウム合金と呼ばれていたように,強度が大きいのが特徴で, T4処理(溶体化処理後十分な安定状態まで自然時効硬化処理したもの)で50kg/mm'程度の引張強きが得られ,鋼材に匹敵する強度を持つ.しかし, Cuが合金化されているため耐食性は劣り,一般の用途には防食処理を施すことが必要である.溶接性もほかの合金系に比べて劣り, リベソトやボルト結合またはスポット溶接などが主として利用される。
アルミ二ウムーマンガン系合金(3000番台)
この系の合金は純アルミニウムとほとんど同じ用途を持ち,厨房器物や建築用スパンドレルなどに広範に用いられている。
特徴
耐食性,絞り加工性,溶接性とも良好で純アルミニウムとほとんど変わらず、強度は純アルミニウムより10%程度高い。
アルミニウムーシリコン系合金(4000番台)
実用合金としては4032と4043合金があり、 4032は鍛造ピストンなどに、4043は溶接ワイヤやプレージングシート(ろう材を心材の両面あるいは片面に皮板としてクラドしたもの)の皮板,建築用パネルなどに用いられている。
特徴
4032合金は鍛造性がよく,熱膨張係数が低< 、また耐熱性がある。 4043合金は陽極酸化処理をすると灰黒色を呈する。
アルミニウムーマグネシウム系合金(5000番台)
Mgの量の比較的少ないものは装飾用や器物用に,またMgの量の多いものは建築,車両,船舶などの構造用材や機械部品材料として広い用途を持っている。
特徴
この系の合金は非熱処理形であり,形材は押出のまま,板材は適度の冷間圧延をして強度を向上きせた後,安定化処理を施して使用することが多い。安定化処理とは加工硬化後, 150~175°Cの温度に加熱する操作のことで、冷問加工のみで調質した場合に長期間放置すると耐力が低下し、伸びが増加することがあり、このような材質変化を防ぐために行なう処理のことである。 耐食性はアルミニウム合金の中では最も優れており、海水や工業地帯の汚染ふんい気にも強い。 5052 や5083 合金などMg の量が2~5 %のものは溶接性、成形性、耐食性、耐応力腐食割れ性など構造用材として必要な特性が一般に優れ、機械的性質も比較的に良好である。 5N01合金は陽極酸化処理によって光沢のあるクロム色が得られる。
アルミニウムーマグネシウムーシリコン系合金(6000番台)
代表的合金としては6061と6063合金があり、各種構造物、建築用サッシ関係に用いられる。
特徴
この系は熱処理形の合金で強度がかなり高いうえに耐食性も優れており、海岸地帯で使用する場合にもほとんど防食処理を施す必要がない。 溶接性も良好であるが、熱処理によって強度を高めるため、溶接したままでは継手効率が低いのでリベット、 ビス,ボルトなどによる組立構造に適している。 6061-T6材(溶体化処理後,人工時効硬化処理したもの)は,耐力が25kg/mm'以上で SS41鋼の降伏点に匹敵し,設計上,たわみの問題を別にすればほぽ同等の許容応力をとれるという利点を持っている。 6063合金は押出性に優れ、ある程度任意の断面を持つ形材が得られ、 6061合金ほどの強度を必要としない用途には構造材としても用いられる。
アルミニウム-亜鉛-マグネシウム系合金(7000番台)
三元合金とも呼ばれ, 7NO1合金が車両を始めとする構造材に適している。 この系に更にCuを加えたアルミニウム-亜鉛-マグネシウム-銅系合金には7075合金があり、航空機関係に主として用いられる。
特徴
熱処理形合金で,引張強さがT4材で32kg/mm2以上, T6材,で34kg/mm2以上と高く溶接継手効率も高いので溶接構造用に適している。 この合金は溶体化処理温度が低く冷却速度に対する感受性が鈍常温で時効性があるとし寸熱処理特性を持っているので,溶接時の熱影響で母材が軟化してもその後の常温時効で、溶接部の強度がかなり回復するのが特徴である。 アルミニウムー亜鉛ーマグネシウムー銅系合金は超々ジュラルミン(ESD)に基礎をおくもので,熱処理特性がよく,T6材で引張り強さが54kg/mm2上となり,アルミニウム合金中最高の強度を持つ合金であるが,溶接性と耐食性が劣るのが欠点で,使用する際には 十分な防食処理を施す必要があり,合わせ板として使用されることが多い。