ばね
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バネはできる限り市販のストック品を使用するのが安価で納期も安心です。 品種も多く ほとんどがこの中から選ぶことができます。
しかし、バネは思いの外 ひずみ量と出力が小さく たびたび 製作しなければ要件を満たせない場合もあります。
製作するにあたり 製作が可能かどうかを調べながら形状、必要力を調整しながら設計は進めなければなりません。
"日経デジタル・エンジニアリング"さんが作成されたexcel sheet" が便利です。
バネの種類について 一般的なものを示します。
引っ張りバネ | |
圧縮バネ | |
ねじりバネ | |
皿バネ | |
板バネ |
引っ張りバネ & 部分名称(用語の説明)
記号 | 記号の意味 | 単位 |
d | 材料の直径 | mm |
D1 | コイル内径 | mm |
D2 | コイル外径 | mm |
D | コイル平均径 | mm |
Nt | 総巻数 | -- |
Na | 有効巻数 | -- |
Hs | 密着高さ | mm |
L | 自由高さ | mm |
ばね指数 | -- | |
G | 横弾性係数 | /N |
P | ばねにかかる荷重 | N |
τ | ばねのたわみ | mm |
κ | ばね定数 | N/mm |
δ | ねじり応力 | /N |
1,総巻き数とは 一番端のバネとして機能しない部分も含めての巻き数のことで、有効巻き数とは その端の部分をのぞいた巻き数を指します。
通常 ”有効巻き数は総巻き数 -2 ”です。 引っ張りバネでは、 有効巻き数は不要です。
2,密着高さとは 圧縮バネをコイル同士が密着するまで圧縮したときの長さのことを言います。
引っ張りバネはほとんどの物が負荷なしで密着している状態です。
この状態からどのくらいの力をかければ引っ張りバネが伸び始めるのかを示したのが初張力です。
密着長=(総巻数-1)×材料の直径+両端部の厚みで計算します。
3,自由高さとは 上図の Lの長さのことです。
4,バネのたわみとは そのバネが最大何ミリまで たわんでも永久ひずみを起こさずに使用できるかと言う場合、最大たわみと言い単純に バネに要求されるたわみを示す場合もある。
5,バネ常数とは 単位長さあたりどのくらいの力がでるのかを示す値です。1mmのびるごとに5Nでるバネであれば10mm歪んだときには 50Nの力がでると言うことです。
外形、内径、長さ、たわみ、バネ定数は バネを選定する上で 必須の項目です
6,ねじり応力 が突然なぜでてくるかと言えば 圧縮も引っ張りバネもコイルバネは 伸びるという感覚を持ちますが 材料に与えるもっとも大きい応力はねじりになります。
このねじりが連続で起こることによりコイルバネは伸び縮みしています。
バネの材料が許容応力以内かどうかを判断するのに必要です。
引っ張りバネには 左のようなフック用 ポストを使用して留めるか、取り付け部に 引っかけよう穴をあけて 留めます。
その際には フックに傷が付かないように 十分な 面取りを施します。
引っ張りバネは最大たわみ以上に延ばすと 材質の降伏点を超えて 戻らなくなりますので注意が必要です。
できれば それ以上伸びないようなストッパーを設けるようにします。
引っ張りバネを特注しなければならない場合以下の点を 注意すると 製作費が安価にすみます。
1,ばね指数=コイル平均径÷材料の直径が4以上22以下にする
2,
有効巻数=3以上
3,
材質の選択=SW・SWP・SUSなど一般的な材質にする
4, フック=上図のようなできるだけ簡単な形状にする
圧縮バネ
圧縮バネは通常 密着するまで歪ませても材料の許容応力の中に入るよう設計するのが望ましい。
ある範囲内で限定的に使用する場合 やはりメカ的な規制を設けるようにする。
圧縮バネを特注しなければならない場合以下の点を 注意すると 製作費が安価にすみます。
1,
ばね指数=コイル平均径÷材料の直径が4以上22以下にする
2,
有効巻数=3以上にする
3,
ピッチ=0.5×コイル平均径、以下にする
4,
縦横比=自由長÷コイル平均径、0.8~4にする
5,
材質の選択=SW・SWP・SUSなど一般的な材質にする
皿バネについて
通常 皿バネは1枚 単独で使用する場合は少なく 複数 組み合わせて使用します。
A.単独直列一枚
B.直列一枚四組合せ
C.並列三枚重ね
D.並列二枚重ね
直列三組合せ ,
直列、並列組合せで使用する場合、摩擦加わ って
ヒステリシス(誤差、応差)が生じます。
並列重ねで生じる摩擦力は近似計算値に対し加荷で+2~3%減荷で-2~3%程度 でます。
例えば並列5枚重ねの直列3組合せの場合は計算値 荷重に対し摩擦力は2~3%の5倍となり、実際の宿重は±10- 15%となります。 (皿ばねの多数枚使いのときは、皿ばねの外周が相手受板に当るようにする。
これは皿ばねの破損を防ぐのが目的で、特に奇数枚のときは可動側に外周が来るよう注意する。