応力とひずみ
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丸棒の両端にカを加えて引張ると、加えるカが大きくなるにつれて,丸棒が変形し、ついに は切れてしまいます。 切れた部分は、もとの太さより細くなり、切れた2本の丸捧を継ぎ合わせると、もとの長さより長くなっています。
材料を引張ると、切れまいとする抵抗力が材料の内部に生 じます。
外力に対して内部に生ずる抵抗力のことを「応力」といいます。
応力には力のかかり方により 引張り応力、 圧縮応カ、曲げ応力、せん断応力、ねじれ応力 があります。 実際は、これらの応力が複雑に組合わさ って働きます。
機械設計で機構の次に最大の関心事は、設計した形状で問題ないだろうか? と言うことです。
私なりの解釈を列挙します。
ひずみ = ある力が加わったときに どの位 動くのか?
この計算に必要なのが断面2次モーメント
応力 = ある力が加わったときに 上限強さに対してどの程度までなのか?
この計算に必要なのが断面係数
と理解してください。
ほとんどの強度計算で最大応力がかかるのは曲げモーメントによるものです。
断面2次モーメント、断面係数とは何者? と一生懸命理解することも大事ですが、まずはどのように使用するのかを理解した方が有益です。
ひずみ
ゴムを引張ると、もとの長きより長くなります。 これを「伸び」といいます。 逆に押しつけると、もとの長さより短くなります。 これを「縮み」といいます。
このような伸縮は、ゴムだけでなく すべての固体に生じます。 しかし鉛筆などを手で引張ってみても目で確かめることはできないですが、トイレットペーパを引っ張ってみると、引張られた方向に伸び、 それに直角方向では縮みます。
伸び 縮みした量を変形量といいます。 このように、もとの長さに対する変形量の割合を、「ひずみ」といい、つぎの式で表します。
縦ひずみ
伸び、縮みのように軸方向のひずみを縦ひずみといいます。 そしてもとの長さ L と、変形量 λ と、ひずみεの関係は 次の式で表される。
横ひずみ
丸棒を引張ったり、圧縮したりすると軸方向の伸び、縮みと同時に直角方向にも変形が生じます。
この変形量をδとすると、もとの直径d対する変形量δの割合を横ひずみといい、 式で表わすととなり
縦ひずみ ε と 横ひずみ ε1 は、ε > ε1 となります。
せん断ひずみ
物体の角を押すと、変形します。
物体の厚みを t とし、ある力で押してθの角度だけ変形したときの変形量が λ だとすれば、これをすべり変形といい、このときのひずみをせん断ひずみといいます。
せん断ひずみをεS で表わせば、 となります。
材料が弾性限度以内においては、「応力とひずみとは正比例する」というフックの法則から、 となり、このときのEを弾性係数といいます。
このEは材料によって一定の値をもっています。
物体に外部からカが作用したとき 物体が変形する度合は、その物体のもっている弾性係数に大きく左右されることになります。
同じ直径で同じ長さで荷重も同じであれば、鋼よりもアルミニウムのほうがよけいに伸びます。 これは鋼の弾性係数よリアルミニウムの弾性係数のほうが小さいと言うことです。
一般には硬い材料は、軟かい材料より変形が少なく、また 軟かい材料は変形してもなかなかこわれないのに対し、硬い材料は変形しにくいかわりに、少し変形するとこわれてしまいます。
せん断応力
せん断は、鉄線を切る場合とか、プレスで穴をあけるような場合に見られます。これらの場合は その材料のせん断応力より大きい力を加えます。
外力が材料のせん断応力より小さい場合でも 被削材の内部には剪断力が生じています。
切断される面積よりも切断力が大きい場合材料は切断されます。
穴の場合は直径 X π X 厚さで穴の切断面積を計算します。 穴径の面積(d^2 X π /4) ではないことに注意してください。
たわみ
床にある釣り竿は真直ぐなままですが これを手にもってて支えると、先が曲がってしまいます。
これはつり竿自身の重さによって曲がるのです。 この釣り竿の先端に荷重をかければ、さらに曲がります。 この竿をもとの床に置けば、真直ぐになります。
このような性質を弾性といい、この曲線のことを弾性曲線といいます。
これを図解すると、下図のようになります。
図の場合は、棒の先端が一番たわみが多いので、最大たわみといいます。 中立面の描く曲線の半径を曲率半径といいます。
下図2に示すように同じ断面形状の2枚の板材 を一方は縦て、一方は横にして同じ位置で 同じ荷重を加えたとき、そのたわみは,横にしたほうが大きくなります。
このように(.同じ材 料でも使い方によってたわみを少なくすること ができます。
弾性と塑性(そせい)
外から力を加えると変形し、力を取り去るともとの形にもどる性質を弾性とい います。
一般に金属はこの性質をもっていますが、粘上のよう に力を加えるとそのままもとの形にもどらないものもあります。
クリップをつまんで引張って曲げてみます。
最初力が小さいころは弾性よりもとの形にもどりますが、力を少しずつ大きくしていくと少 し曲がりはじめ、ついには曲がってしまって、もとの形にもどらなくなります。
この点(応力の値)を 弾性限度といっています。
したがい 弾性限度内であれぱ いくら力をかけても、もとの形にもどります。
弾性限度以上の力をかけると、もとの形にも どらない性質を塑性といいます。
金属には塑性という性質があるので非常に便利です。
曲げたり、絞ったり、伸ばしたり、縮めたりできるのは、この塑性のおかげです。
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